ビッグマウンテンな沢登り!
新潟は巻機山の米子沢を登ってきました。
巻機山は日本百名山の一つですね。
豪雪地帯の渓谷は、雪の力で磨かれた地形とたくさんの雪解け水に削られたゴルジュが織り成す素晴らしい景観があります。
今回はスタートから標高差で約1200m以上の登りです。
頑張るぞ〜!
本来であれば開けた明るい谷なのですが、この日はあいにくの曇り空。時々雨。。。
午後から明るくなる予報を信じて登ります。
落差のある滝が多いですが、登りはしっかりとしたホールドがあるので、クライミングは安心です。
特にロープを出す必要がなくスピーディーに進んで行けます。
地味に強敵なのは、ヌメヌメでツルツルのナメ床。
油断して転んでしまうと滝から落ちちゃうかも〜(xox)
何も考えずに歩けそうなところを進んでしまうと手詰まりになってしまいます。
遠くにゴールを見据えて無駄のないように慎重にルートファインディング。
道はないので、足を置けそうな場所を見つけて丁寧に歩きましょう〜!
ここからが核心のゴルジュセクション。
みんなにも緊張が走ります。
覚悟を決めて突入しますよ!
う〜ん、ガスで先が見えない。。。
通れるルートは概ね決まっているので、そこを行くしかないのです。
ゴルジュはさらに狭く圧迫感があります。
失敗は許されないぞ!なんてね。
特に難しい場所はないので、丁寧に登るだけですが、ロケーションがかっこいい!
落差はありますが、しっかりとしたホールドがあるので、不安なし。
時々現れる秘密のプール。
こういう場所こそ落ちたら寒いので慎重にトラバース。
そして、クライミング。
ゴルジュの終わりが見えてきましたが、最後には最も大きな滝が聳えています。
こういう雰囲気がたまらなくいいですね〜!
18mほどの滝を横目に登っていきます。
上から見るとこんな感じ。
一つ一つの滝を越えるたびに小さな達成感があります。
気持ちがいい!
ここもまたツルツルに滑らないように。
滝を越えても油断できません。
ようやく地に足が着いた気分です。
周りの植生も変わり、いつの間にか森林限界よりも上に出ていました。
せっかく紅葉が色づいてきているからもっと景色見たいな〜。
轟々と唸っていた滝もなくなり、沢は小さな小さな流れに。
沢は一跨ぎできるほどに狭くなってきます。
それでも時々出てくる可愛らしい小滝をミニシャワークライミング。
そして、登り詰めた先には黄金色の草原。
ガスで視界があまりなく幻想的な雰囲気にまるで天国へ来たような気分です。
昨年は、紅葉が見事すぎてそれはそれで天国へ来たようでした。
ということで、ここは天国と名付けます。
プチ藪漕ぎ
葉っぱに付いた水滴でビショビショですw
ついに巻機山山頂!イェイ!
約5時間の沢登りで到着しました!
みなさん、お疲れ様でした(^^)
下山中、ようやく晴れ間が出てきて紅葉と厳つい山を見ることができました。
晴れていたらというのは望みすぎ?まあ、山ですから晴れているに越したことはないですね。
沢登りにとってピークを踏むというのは、ほんの小さな目的にすぎません。
そこへ到達するまでのプロセスにたくさんの楽しみが盛り込まれています。
進むべきルートを見つけ、失敗ができない緊張感を保ちつつ、一つ一つのセクションを登り切るたびにやってくる達成感。
それを繰り返した結果にたどり着く頂上です。
前にも書いたことがあるかもしれませんが、滝を乗り越えるとそこには、まるでページをめくったように新しい風景が広がります。滝の数が多ければ多いほどに、分厚い本のようにたくさんのページがあります。滝というセクションを乗り越えていくプロセスを楽しむことこそが、沢登りの醍醐味ですね。
道無き道を進むというのは、山の本来の姿を踏みしめて登るということです。どんな簡単な沢登りでも山歩きの原点がそこにあると思います。
大雨が降ったり、豪雪に覆われた冬を越えるとそこには新しくリセットされた谷が存在しているものです。
同じ沢に何度行っても楽しめるのは、まるで降りたてのパウダースノーにファーストトラックを刻むような気持ちと似ています。
10月中は暖かい丹沢での沢登りはまだまだ気持ち良くできます。
このレポートを見て興味を持った方がいらっしゃれば、まだ間に合いますよ!
沢登りへ行きましょう!
お待ちしております!
KTNシャワークライミング
峯岸健一